
医学部受験は人によって難易度は異なる
医学部受験の難易度は、繰り返しお伝えしてきているように、基本的には非常に難しいです。しかし、厳密には人によって難易度に差があると言わざるを得ません。では、どういった観点から難易度は変わるのでしょうか?
国公立医学部の難易度が下がるケース①|地元の地域枠
国公立医学部の難易度がもっとも下がるのは、地域枠でしょう。戸籍あるいは高校がある都道府県の人しか出願できない枠で、偏差値は2.5~5.0ほど下がるケースが多いです。その枠を狙って県外から地方高校に進学する人もいます。実際、地元の進学校で内申点がよく、共通テストも問題なく取れていたら、一般選抜では合格が難しい大学にも合格するケースは多いです。
現役のみ、あるいは1浪までといった出願要件がありますが、もっとも入りやすくなるのはこのケースです。
国公立医学部の難易度が下がるケース②|学校推薦型選抜
国公立医学部の学校推薦型選抜は、共通テストの得点率と面接、小論文などで決まるところがほとんどです。これも一般選抜では合格できない偏差値の大学で合格が出ることもあるので、出願してみるとよいでしょう。
ボランティア経験や入賞経験がなくても問題ないので、検討してみるとよいでしょう。
国公立医学部の難易度が下がるケース③|科目や配点
一般選抜の場合でも、受験科目やその配点、共通テストの傾斜配点などで難易度が変わります。
まず、共通テストの傾斜配点は大学によって異なります。国語で失敗したら国語の配点が低い大学を受験するなどを考えましょう。
個別試験の受験科目にも注意しましょう。例えば、英語のみが得意な人は、弘前大学が総合問題のみで、これはほぼ英語試験なので、ここを受験するとよいでしょう。英語と数学のみの秋田大学などもあります。理科1科目の大学も複数あります。
配点についても、理科の配点が比較的高い大学・英語の配点が比較的高い大学など、自分の得意不得意に合わせて出願先を考えましょう。
共通テストと2次試験の比率もポイントとなります。2次試験が得意ではなく、たまたま共通テストで高得点が取れた場合、共通テストの配点比率が高く、2次試験が簡単で差がつかない大学を受験すれば、いわゆる「逃げ切り型」で合格できます。
細かいところでいくと、英語の和文英訳・自由英作文の有無、科目間の難易度の差なども考慮するとよいでしょう。これは合格最低点をどう超えるかを考える時に必要な視点となります。例えば、英語が得意な人は、和文英訳や自由英作文が多く、数学と理科は比較的オーソドックス大学を探すとよいでしょう。
私立医学部の難易度が下がるケース①|学費の許容額を上げる
私立医学部の場合、国公立医学部と比べて難易度を下げる方策は複数あります。
一番わかりやすいのは、学費を上げることです。そんなの当たり前と思うかもしれませんが、1年浪人するのであれば、多少学費を上げて1年早く入学したほうが良いケースもあります(1年間の浪人生活にかかる費用や生涯年収を比較するなど)
合格してみないとわからないことも多いです。学費的に厳しいと言われていたものの、その1校しか合格しなかった場合、もう1年勉強するよりそのまま進学を決める人(家庭)が多いです。
私立医学部の難易度が下がるケース②|推薦型選抜を受ける
学校推薦型選抜(公募制、学校推薦含む)は一般選抜と比較し、難易度が下がります。合格したら入学必須のため、一般選抜でいろんな大学を受験して学費の低いところに入学したいと考える人は注意が必要ですが、そうでなければ出願してみるとよいでしょう。
実際、偏差値40台から合格することもあります。
筆記試験や小論文対策、面接対策も必要ですが、一般選抜のような「ほぼ筆記試験の点数で決まる、偏差値65の戦い」と比べれば、難易度は大きく下がります。
私立医学部の難易度が下がるケース③|科目や配点
私立医学部も国公立医学部と同じように、受験科目や配点を考慮すると自分に合った大学が見つかるでしょう。
科目でいうと、帝京大学は英語が必須で、国語、数学1A2B、化学、物理、生物から2科目選択します。文系出身の人でも、英語・国語・数学1A2B(あるいは生物)で受験できたります。
東海大学は理科が1つなので、片方の理科しか得意じゃない人は受験しましょう。
配点も、国際医療福祉大学は英語の配点が比較的高いですし、理科の配点が比較的高い大学もあります。
このように、自分に合う大学を探せば、自分にとっての難易度は下がります。
なお、私立医学部の場合は「浪人年数が合否を左右する」といった話がありますが、近年は成績開示されたりと透明性の高さが重視されています。女性差別が大きく是正し、女子生徒の比率が50%近くに改善された大学も多くあります。
もちろん、私立医学部は国公立医学部と比べてブラックボックスが多いのは事実としてあると思いますが、こうしたアンコントローラブルな部分に目を向けるのではなく、上記のように「知っているだけで得をする情報」「本質的な大学選び」をすることで、難易度を下げ、きちんと合格に繋げる方法はあるのです。
「【決定版】医学部の難易度|人によって難易度は異なる」に関するQ&A
- 医学部の受験難易度はどのように変わるのか?
- 医学部の受験難易度は、個々の状況や選択肢によって異なります。地域枠や推薦型選抜を利用することで、一般選抜よりも合格しやすくなるケースが多く見られます。自分の得意科目や受験科目の配点を考慮することが重要です。
- 地域枠を利用するメリットは何か?
- 地域枠を利用すると、偏差値が2.5~5.0下がることが多く、地元の高校出身者にとっては合格のチャンスが広がります。内申点や共通テストの成績が良ければ、一般選抜では難しい大学にも合格できる可能性があります。
- 学校推薦型選抜の特徴は?
- 学校推薦型選抜は、共通テストの得点率や面接、小論文で合否が決まるため、一般選抜よりも難易度が低くなります。ボランティア経験がなくても出願できるため、受験の選択肢として検討する価値があります。
- 医学部の受験科目や配点はどう考えるべきか?
- 医学部の受験科目や配点は大学によって異なるため、自分の得意科目に合わせて選ぶことが重要です。共通テストの傾斜配点や個別試験の科目選択を考慮し、合格最低点を超える戦略を立てましょう。
- 私立医学部の難易度を下げる方法は?
- 私立医学部の難易度を下げるためには、学費を上げることや推薦型選抜を利用することが有効です。特に推薦型選抜は、一般選抜よりも合格しやすい傾向がありますので、積極的に検討しましょう。
- 学費の許容額を上げることの利点は?
- 学費の許容額を上げることで、より多くの選択肢が生まれ、合格の可能性が高まります。特に、1年浪人するよりも早く入学する方が長期的に見て得になる場合もあります。
- 私立医学部の推薦型選抜のメリットは?
- 私立医学部の推薦型選抜は、一般選抜に比べて難易度が低く、合格のチャンスが増えます。特に偏差値が低い場合でも合格する可能性があるため、受験を検討する価値があります。
- 医学部の科目選択で注意すべき点は?
- 医学部の科目選択では、自分の得意科目を考慮することが重要です。例えば、英語が得意な人は、英語のみの試験を行う大学を選ぶと良いでしょう。科目間の難易度差も考慮に入れるべきです。
- 医学部の合格に必要な偏差値は?
- 医学部の合格に必要な偏差値は大学によって異なりますが、一般的には高い偏差値が求められます。受験する大学の過去の合格者データを参考にし、自分の目標を設定することが大切です。
- 医学部選びで注意すべきポイントは?
- 医学部選びでは、受験科目や配点、地域枠や推薦型選抜の有無を考慮することが重要です。また、大学の透明性や女性比率の改善状況などもチェックし、自分に合った大学を選ぶことが成功への鍵です。