【結論】医学部志望者が受けるべき模試とは?
医学部志望者が受ける模試は、次の3種類だけです。
記述模試は、全統記述模試(河合塾)だけ
全統記述模試(河合塾)は高1,2で年4回、高3,浪人生で年3回実施されます。
これ以外の記述模試は必要ありません。
共通テスト模試は、7月以降に「月1回ペース」
共通テスト模試は、7月以降に月1回ペースで受験しましょう。
共通テスト形式の問題を解くことに意味があるので、どの模試を受験していただいても構いません。
現役生は学校で受験する共通テスト模試でOKです。
志望校によっては「冠模試」を受験する
旧帝大、一橋大、科学大、広大、神大を志望する人は、冠模試(大学別模試)を受験しましょう。
当該大学を受験しない人は不要です。
全統記述模試(河合塾)について
受験する理由は2つあります。
- 偏差値が志望校決めに決定的に関わるから。医学部は合格者の偏差値帯が高く、全統記述模試の偏差値が志望校判断の事実上の共通言語になっています
- 現在の学力を知る指標として最も信頼できるから。母集団が広く、オーソドックスな問題で習得度を測れます
2026年度の実施日(高3生・高卒生/公開会場受験)
| 模試 | 実施日 | 成績公開 |
|---|---|---|
| 第1回全統記述模試 | 5月10日(日) | 6月15日(月) |
| 第2回全統記述模試 | 8月23日(日) | 10月13日(火) |
| 第3回全統記述模試 | 10月4日(日) | 11月20日(金) |
自宅受験は公開会場とは別日程です(第1回5月24日(日)、第2回9月13日(日)、第3回10月25日(日))。申し込み時に取り違えないよう注意してください。
受付開始は4月1日(水)・6月17日(水)・9月16日(水)の3期に分かれています。
※出典:河合塾全統模試年間スケジュール(公式PDF)。会場によっては実施日が異なる場合や実施しない場合があります。
共通テスト模試(7月以降、月1回ペース)について
共通テスト模試は、7月以降に月1回ペースで次の7つを受けます。
| # | 模試 | 2026年度の実施日 |
|---|---|---|
| 1 | 第2回駿台atama+共通テスト模試 | 7月19日(日) |
| 2 | 第2回全統共通テスト模試(河合塾) | 7月26日(日) |
| 3 | 第1回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試 | 9月13日(日) |
| 4 | 第3回全統共通テスト模試(河合塾) | 10月18日(日) |
| 5 | 第3回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試 | 11月1日(日) |
| 6 | 全統プレ共通テスト(河合塾) | 11月15日(日) |
| 7 | 駿台atama+プレ共通テスト | 12月6日(日) |
※駿台系の日程は公表時点の「予定」です。申込前に各社公式サイトで確定日程を確認してください。
特に、全統共通テスト模試は、全統記述模試とのドッキング判定の結果が出るため受験を推奨します。出願校を考える材料になります。現役生は、学校でバンザイシステムを使った出願校決めをするため、学校でまとめて受験するケースが多いです。その場合、個人での追加申し込みは不要です。
冠模試(該当者のみ)について
冠模試は、過去問と同様に「形式へのアジャスト」でしかなく、受けても学力自体は上がりません。
志望校の形式を試験会場で受ける練習として活用しましょう。また、全統記述模試とは違い、偏差値ではなく、順位や合格判定が合格可能性を示す有効な指標となります。理想は定員以内の順位を取ることです。
実施回数:東大・京大は2回、その他は秋に1回
- 東大・京大:夏と秋の2回
- その他の大学:秋に1回(河合塾・駿台で各1回)
2026年度の主な冠模試(河合塾・公開会場)
| 実施日 | 模試 |
|---|---|
| 8月2日(日) | 第1回東大入試オープン〔夏期〕 |
| 8月9日(日) | 第1回京大入試オープン/第1回名大入試オープン〔夏期〕 |
| 10月25日(日) | 第2回東大入試オープン〔秋期〕 |
| 11月1日(日) | 第2回京大入試オープン/北大入試オープン/九大入試オープン |
| 11月3日(火・祝) | 一橋大入試オープン/東京科学大入試オープン/神大入試オープン |
| 11月8日(日) | 第2回名大入試オープン/東北大入試オープン/阪大入試オープン |
駿台の入試実戦模試は、東大8月9日(日)・11月15日(日)、京大8月23日(日)・11月22日(日)、その他(北大11/8、東北大11/22、名大10/25、阪大11/3、神戸大11/15、九大10/18)です(駿台の日程は公表時点の予定です。申込前に公式サイトで確定日程を確認してください)。
※東京科学大入試オープンはドッキング総合評価を行いません。
早慶模試は冠模試として機能しない
私立志望でも、早慶模試は受験不要です。
早稲田と慶應は出題傾向が全然違うため、2大学を1つの模試でまとめた時点で、冠模試の目的である「形式へのアジャスト」を果たせないからです。
受けなくてよい模試と、その理由
上記3種類以外の模試は受けなくてよい——以下、松濤舎の評価と理由です。
| 模試 | 松濤舎の評価 |
|---|---|
| プライムステージ(河合塾) | 難しすぎるため受験不要 |
| 進研模試(ベネッセ) | 非推奨。偏差値が当てにならない |
| 駿台全国模試 | 受けない方がよい。学力測定に向かない |
| 医学部82大学判定テスト(東進) | 不要。医学部専用模試は意味をなさない |
| 私立医学部模試(メディカルラボ) | 不要。生徒集めのための模試 |
| 私立医学部大学別模試(YMS) | 不要。受験者が少なく判定が成立しない |
| クルゼ模試(野田クルゼ) | 不要。広告の一種 |
プライムステージは「難しすぎるため受験不要」に尽きるため、以下では残る6つを解説します。
進研模試(ベネッセ)は偏差値が当てにならない
浪人生が受けないため、偏差値が当てになりません。
全統記述模試と比べて偏差値が5〜10ポイント高く出ます。出題範囲自体は学習指導要領の範囲内です。
駿台全国模試は学力測定に向かない
受けない方がよい模試です。
学習指導要領の範囲を超えた難問が出るため、学力測定に向かないからです。
松濤舎では、東大に現役合格した塾生が駿台全国模試で全く点数を取れなかった事例があります。塾生の学力ではなく、模試の側が学力を測る道具になっていなかったのです。
問題は、無駄に不安を煽られ、「志望校を下げよう」という誤った判断が実力と無関係に起きることです。
学校で必須の場合は仕方ありませんが、結果は気にしなくてよいです。浪人生は受験する必要がありません。
医学部82大学判定テスト(東進)は「医学部専用」というくくりに意味がない
不要です。理由は2つあります。
- 東進生以外はほとんど受験しないため、偏差値・順位が当てになりません。
- 医学部82大学は、傾向も試験時間も難易度も全く異なります。「医学部専用模試」というくくり自体が意味をなしません。
それより、全統記述模試のようなオーソドックスな問題で習得度を正確に測るほうが、はるかに意味があります。
私立医学部模試(メディカルラボ)は生徒集めのための模試
不要です。
非常にマイナーな模試で、率直に言えば、生徒集めのための模試です。
私立医学部は大学ごとに難易度も試験時間も全く違うため、一括の「私立医学部模試」から得るものはありません。
私立医学部大学別模試(YMS)は受験者が少なく判定が成立しない
不要です。同じくマイナーで、受験者が少なければ合格判定も成立しません。
生産的なのは、予想問題の模試ではなく、実際の過去問を解いて公表されている合格最低点と見比べ、足りないところを問題集・参考書で埋めることです。大学別模試1回より、その大学の過去問1年分のほうが確実に情報量が多いです。
クルゼ模試(野田クルゼ)は広告の一種
不要です。周りで受けていると聞いたこともなく、生徒集めの広告の一種と考えてよいでしょう。
学年別の受け方:どの学年も軸は全統模試
どの学年でも、受けるべき軸は河合塾の全統模試です。
高1・高2は全統模試(記述式)を年4回
河合塾の記述式の全統模試(全統高1模試・全統高2模試)を年4回受けてください。
この時期から記述模試の偏差値で自分の位置を把握しておくことが、高3以降の志望校決定の土台になります。
高3・浪人生は全統記述模試を年3回
全統記述模試を年3回(第1回・第2回・第3回)です。
加えて共通テスト模試を7月以降に月1回ペース、該当者のみ冠模試です。
浪人生だから偏差値が高く出る、ということはありません
前年に同じ模試を経験していても、偏差値が高く出ることはありません。
学力がなければ点数は出ないからです。
模試の偏差値だけを見てはいけない
松濤舎が塾生の学力を判断するとき、模試の偏差値だけを見ることはしません。
見ているのは次の2つで、両方揃ってはじめて「学力がついた」と判断します。
- 問題集の習得レベルが、満遍なく全分野で高くなっていること。
- 記述模試で相応の偏差値が出ていること。
偏差値だけでは、たまたま得意分野が出た回で過大評価し、苦手分野が出た回で過小評価します。習得レベルだけでは、「解けるつもり」の状態を見抜けません。
模試が最も効果を発揮するのは、学習指導要領の範囲を網羅的に勉強した場合です。模試の結果から、どこがやりきれていないかがよく見えるからです。
網羅的に勉強していない人は、悪かった部分だけを復習しても他に大きな穴が多数あり、「復習したのに成績が上がらない」状態に陥ってしまいます。
模試の復習法|解き直さず、問題集に紐付ける
松濤舎の方針は次の3点です。
- 模試を解き直さない。解き直して解けたとしてもそれは当然のことだから。
- 間違えた問題を手持ちの問題集に紐付ける。「この失点は青チャートのこの例題の理解不足だ」まで落とし込み、問題集側を復習する。
- 自己採点は24時間以内に。記憶が残っているうちでないと「なぜその答えを書いたか」がわからず、失点の原因を特定できない。
より詳しい受け方・復習法はこちらで解説しています。
より詳しい受け方・復習法は以下を参照ください。
模試の結果から出願校を決める
模試の結果は、志望校ではなく「出願校」の見直しに使います。
判定は見ない
判定(A〜E)そのものは見ません。
判定とは「総合点」に対する「一定の解釈が入った”丸め込まれた値”」でしかないので、具体的にどの科目が足りていないかといった深掘りができません。
見るべきは、全科目における、合格者の平均偏差値との差分です。
出願校の組み合わせは「挑戦:適正:安全=1:2:1」
出願校の構成は、挑戦1:適正2:安全1を基本とします。
挑戦校ばかりでは全落ちのリスクが高く、安全校ばかりでは進学しない大学に受験料と体力を使うため、適正校を最も厚くします。
より詳しい判定の読み方はこちらで解説しています。
より詳しい判定の読み方は以下を参照ください。
保護者の方へ|模試の判定に過剰反応する必要はありません
模試の判定が悪くても、過剰に反応する必要はありません。
模試は現状の学力を正確に把握するツールであり、それを元に今後の勉強が明確に決まれば問題ありません。
気をつけるべきは、受けなくてもいい模試の結果に一喜一憂して判断を誤ること。
先述の通り、「不要」とした模試の多くは母集団や難易度が実態と乖離しており、そこで出た数字に反応すると判断そのものが狂います。
模試の解釈はプロに任せて、お子様が目の前の勉強に集中し、やるべきことに迷わず一心不乱に勉強できる環境を作ってあげることが重要です。
まとめ|まずは全統記述模試に申し込もう
- まず河合塾の全統記述模試を受験しましょう。ここからすべてが始まります。
- 年間スケジュールは発表済みなので、出願締切に間に合うよう手続きを進めましょう。
会場受験を推奨します
自宅受験では会場の独特な緊張感を経験できず、自分で時間を測るため多少甘くなってしまうため、会場受験を強く推奨します。
しかし、県によっては会場受験できないところもあります。その場合でも、特に浪人生は試験会場で受験する機会を大切にしてほしいので、可能なら近くの県まで受けに行くとよいです。入試本番で初めての会場・緊張に対応する練習になります。
ちなみに、熊本大学医学部に合格した松濤舎OBは、九州県内の試験会場を毎回変えて記述模試・共通テスト模試を受験していました。本番で初めて経験することを、1つでも減らしておく発想です。
「医学部志望者の模試」に関するQ&A
- 医学部志望者は模試を年に何回受けるべきですか?
- 記述模試は全統記述模試の3回(高1・高2は年4回)です。これに共通テスト模試を7月以降に月1回ペース、旧帝大医学部などの志望者のみ冠模試が加わります。記述模試と共通テスト模試は目的が違うので、分けて考えてください。
- 医学部専門の模試は受けたほうがよいですか?
- 不要です。医学部82大学判定テスト(東進)、私立医学部模試(メディカルラボ)、私立医学部大学別模試(YMS)、クルゼ模試(野田クルゼ)は、いずれも受験する必要がありません。医学部82大学は傾向も試験時間も難易度も全く異なるため、一括の医学部専用模試は意味をなさないからです。
- 駿台全国模試は受けるべきですか?
- 受けない方がよいです。学習指導要領の範囲を超えた難問が出るため学力測定に向きません。松濤舎では東大に現役合格した塾生が全く点数を取れなかった事例があります。無駄に不安を煽られ、誤った意思決定につながるのが最大の問題です。学校で必須の場合は結果を気にしなくてよく、浪人生は受験不要です。
- 進研模試の偏差値はそのまま信用してよいですか?
- 浪人生が受けないため偏差値が当てにならず、全統記述模試と比べて5〜10ポイント高く出ます。医学部受験生には受験を非推奨としています。
- 冠模試は受けたほうがよいですか?
- その大学を受験する人以外は不要です。冠模試も過去問も形式へのアジャストでしかなく、受けても学力は上がりません。東大・京大は夏と秋の2回、その他は秋に1回が目安です。なお早慶模試は、早稲田と慶應の出題傾向が全然違うため冠模試として機能しません。
- 現役生は共通テスト模試を個人で申し込む必要がありますか?
- 多くの場合、学校で受験する共通テスト模試で代替できます。現役生は学校でバンザイシステムを使った出願校決めをするため、学校受験が多くなっています。
- 自宅受験でもよいですか?
- 原則として会場受験を推奨します。自宅では会場の独特な緊張感を経験できず、自分で時間を測るため多少甘くなるからです。特に浪人生は、可能なら近くの県まで出向いてでも会場受験してください。
- 模試の判定はどう見ればよいですか?
- 判定そのものは見ません。全科目における合格者の平均偏差値との差分で判断します。E判定でも志望校は変えませんが、出願校は見直します。出願校の組み合わせは挑戦1:適正2:安全1が基本です。
- 模試の復習はどうすればよいですか?
- 解き直しはしません。間違えた問題を手持ちの問題集に紐付け、問題集側を復習します。自己採点は24時間以内に行ってください。
