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Q. 10月や11月までに過去問を解いていないとまずいですか?

A. 問題ありません。

例えば、国公立の場合、共通テスト終了後(1月中旬以降)に出願先を決定します。本格的な過去問演習は、その時期からでも十分に間に合います。

私立の過去問は10月中旬の第3回全統記述模試の自己採点を踏まえ、10月末までに出願校をだいたい決め、11月から過去問演習を少しずつ進めていくといいでしょう。

復習に十分な時間を確保するため、過去問演習は週2回が上限としましょう。計画的に進めることが重要です。

過去問演習の重要性と効果

過去問演習の役割は大きく分けて2つあります。

入試問題の形式へのアジャスト

これがもっとも大きな役割なのですが、過去問というのは持っている知識を出題形式に合わせるためのものという認識でいてください。過去問を通して何かを学ぶというのは二の次です。入試問題は全てが良問というわけでも、解くべき問題というわけでもありませんし、赤本の解説も学びが多いとは限りません。

あくまでも過去問は「その出題形式・難易度において、合格最低点を1点でも上回るために、どのように解くべきかを決めるためのもの」という認識でいましょう。

そう考えれば、最大限成績を伸ばした後に過去問演習をしなければならないことや、出願しない大学の過去問を解いても意味がないことがよくわかるでしょう。

知識の穴や勘違いを見つける、新しい知識を得る

良問や新しい問題を解くことで、知識の穴が見つかったり、理解の浅い箇所がわかったり、新しい知識や解法を得る機会になります。ただし、先述の通りこれは過去問演習をする主目的ではありません。副次的なものだと考えてください。

実践的な問題への対応を経験則的に学ぶ

問題集に載っている問題は比較的”おとなしい”ものが多いため、実際に入試で出るような臨機応変に対応しなければならない問題に触れる機会が不足します。また、時間との兼ね合いで現実的な対処をしないといけない問題への対応なども学ぶ必要があります。過去問演習ではこのような経験を積むことができ、うまく対処できるようになります。

国公立大学と私立大学の過去問対策の違い

国公立大学と私立大学で本質的な対策の違いはありません。

大きな違いは、私立の場合は複数出願できるため、10月中旬〜11月上旬くらいから出願校を決めて過去問演習していけるのに対し、国公立は共通テスト後に出願先が最終確定するため、よほど出願先が固まっていない限り過去問演習の開始が共通テスト後になります。

効率的な復習方法とスケジュール

過去問の復習はしなくていいです。なぜなら、過去問の目的が「出題形式へのアジャスト」だからです。知識のインプットのために使うのであれば復習しなければ意味がありませんが、過去問はそうではありません。

過去問の中でも本質を抉るようないい問題があったらストックしておいて後ほど解き直す、ということはしてもいいですが、必ずやらなければならないものではありません。

そもそも過去問で出題されたということは、今年は出題されない可能性が極めて高いということでもあります。これは、過去問演習を学習の中心に据えるべきでない理由の一つでもあります。

受験勉強における時間管理のポイント

10月や11月までに過去問演習しなくていい理由は、10月中旬にある第3回全統記述模試で偏差値を最大化するためです。ここでの偏差値が出願校決めに大きく影響します。成績向上にほぼ寄与しない過去問演習をしたところでプラスにならないのです。

受験生の10月中旬(第3回全統記述模試)までは過去問演習は不要で、学習指導要領の範囲を徹底することに集中する、というシンプルに考えてください。

過去問演習を活用した成績向上法

繰り返しになりますが、過去問を活用して成績を伸ばすことは期待すべきではありません。

一方で、問題集だけでは十分に理解が深まらなかったり、問題掲載数が少ないためにさまざまな角度から当該テーマを深めることができない分野というのもあります。

成績は良問を通じた問題演習で飛躍的に伸びるというのも事実です。

そこで、過去問を活用して成績を向上させるには、専門家に選定してもらった良問を演習するという方法以外にありません。

入試問題には、「セレクション要素」と「学習要素」があります。入試問題の中でも「学習要素」が強いものを選定し、その問題を通して本質が理解できるものだけをやれば、問題集を使った演習から飛躍的に成績を伸ばすことができます。