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Q. 長文問題集は何度も復習すべきですか?

A. 新しい文章を読むことを優先しましょう。

十分なエビデンスはありませんが、同じ文章を何度も読むよりも新しい文章を読む方が成績が向上するように感じます。

英語長文は他の科目(数学や理科、社会)とは異なり、定着を目的としません。定着が目的であれば同じ問題を何度も復習すべきですが、英語長文や現代文では一度解説を読み、疑問点が残らなければ新しい問題に移る方が良いでしょう。

初見の問題に対応する練習をすることで、正しい読み方を迅速に行う力が養われます。

長文問題集の効果的な活用法とは?

やるべき長文問題集は、次の3つに分けられます。

・多読多聴量を確保するために使うもの :速読英単語シリーズ
・長文問題の解き方を身につけるもの  :Rise読解演習シリーズ
・多読多聴、問題演習の両方ができるもの:やっておきたい英語長文シリーズ

それぞれの使い方については下記記事に詳しいので参考にしてみてください。

英語長文の読解力を高めるためのポイント

松濤舎では「⚪︎⚪︎力」という漠然とした言葉は使いません。「読解力」が何を指しているかは不明ですが、長文問題で高得点を取るために必要なのは、次の3つです。

英単語の語彙量

語彙は多ければ多いほどいいです。とはいえ覚えるべき上限を知りたいと思う人は多いと思いますが、おすすめは『VENN4000』です。これは主要な大学受験用英単語帳23冊のうち2冊以上に掲載されている英単語が全て載っている英単語帳です。

「英単語帳は一冊好きなものを極めたらいい」と言われるけど、

・自分の英単語帳に載っていない英単語で、他の英単語帳に載っているものも覚えたい
・何冊も購入するのは嫌だ

という人向けに、決定版としての一冊を制作しました。

語彙量のみならず、英単語のコアイメージを覚えることも同じくらい重要です。英単語を一語一義で覚えてしまうと、英語長文を読むときに「英語を日本語に変換してから理解する」という回路を使用しがちです。しかし、英語長文は「英語を英語のまま読める状態にする」のが最終ゴールです。

そのために、英単語はコアイメージを習得し、

・英語を英語のまま理解する
・和訳するときだけ、コアイメージと文脈をもとに最適な日本語を選ぶ

ということができるようになりたいです。

英文法もコアイメージをつかむ

英文法も同様に、用法をただ丸暗記すると「英語を日本語に変換してから理解する」という回路を使ってしまいがちなので、イメージやニュアンスをつかむことで「英語を英語のまま理解できる状態」になります。以下の参考書が非常におすすめです、一冊持っておいて絶対に損はありません。

多読多聴量と正しい読み方

最後に、多読多聴量と正しい読み方を身につけることが高得点を取るために必要です。

多読多聴量とはその名の通り「たくさん読み、たくさん聴く」こと。リスニングは負荷を高めた長文読解と言えるので、要はたくさん英文に触れましょうということです。

ただし、多読多聴する際には注意が必要です。それは「英語を日本語を介さずに理解した状態で、多読多聴するから、意味がある」という点です。いくら高速で「英語→日本語→理解」をやっても意味がありません。

そのため、英語長文は日本語を介さずに読めるくらいの簡単な難易度のものから始めるのが非常に重要です。簡単な難易度(小学校〜中学校レベル)であれば、わざわざ日本語を介さずとも理解できるはずです。ここから徐々にレベルを上げていくのがミソなのです。詳しくは以下の記事を参照ください。

正しい読み方とは、長文問題を解く前提での効率的な読み方という意味です。これは「レントゲン読解法」という松濤舎の提唱している読み方になりますので、是非理解し、自分のものとしてスムーズに運用できるようになってください。問題集としては『Rise読解演習』シリーズ『やっておきたい英語長文』シリーズを使いましょう。

新しい文章を読むメリットとその理由

初見の文章を読む過程を通して、「英語の意味をスピーディーに想起する(最終的には自動化する)」ということを行いたいからです。また、新しい長文を読むことで知らない英単語に多数触れることもできます。その過程で語彙を増やすこともできます。

復習と新しい問題のバランスについて

基本的に新しい問題を100%でやってOKです。ただし、英文のレベルが「英語を英語のまま理解できるレベルを超えてしまった」という場合は、一度やったことのある英語長文でもいいのでレベルを落とし、再度「英語を英語のまま理解した状態で読む」というのをやってみてください。当時は英単語のレベル的にも、長文読解量的にも、英語を英語のまま理解するのは難しい状態だったかもしれませんが、成長して読めるようになっているかもしれません。このような場合は復習しても(=過去に読んだ英文のレベルに戻っても)OKです。