「入りやすい医学部 ≒ 偏差値の低い医学部」だが、人により変動する
大枠では偏差値の序列=入りやすさの序列ですが、入試に特徴のある大学では「その人にとって」入りやすい大学が偏差値の序列を超えて浮上します。
「入りやすいのに偏差値が高い」はそもそも矛盾しており、統計的には偏差値を序列と考えて構いません。
一方、配点や出題形式に特徴がある入試ほど、人によって入りやすさが変わります。この記事では「偏差値の低い大学一覧」と「自分にとって入りやすい大学の見つけ方」の両方を扱います。
偏差値の低い国公立医学部一覧【2026年度】
松濤舎の医学部偏差値ランキング(合格者の平均偏差値・全統記述模試ベース)で、国公立の下位10校は以下です。
| 順位 | 大学名 | 合格者の平均偏差値 |
|---|---|---|
| 41 | 香川大学 | 65.1 |
| 42 | 琉球大学 | 64.7 |
| 43 | 愛媛大学 | 64.7 |
| 44 | 大分大学 | 64.7 |
| 45 | 富山大学 | 64.7 |
| 46 | 佐賀大学 | 64.6 |
| 47 | 秋田大学 | 63.7 |
| 48 | 旭川医科大学 | 63.3 |
| 49 | 島根大学 | 62.6 |
| 50 | 弘前大学 | 61.2 |
弘前大学・島根大学・秋田大学は毎年安定して最下位圏に入る医学部で、これらより偏差値が高い大学より入りやすいことは間違いなく言えます。
ただし「誰にとっても狙い目」ではありません。いずれも2次試験が英語・数学のみのため、共通テストが取れていないと逆転できず、2科目で合否が決まるリスクがあります(理科があればリスク分散になります)。
全82大学のランキングは以下を参照ください。
「自分にとって入りやすい大学」は3つの観点で見つかる
大枠は偏差値で決まりますが、近い偏差値帯の中では配点・英語の出題形式・得意科目の難易度によって逆転が起こります。
観点①:配点|共通テスト比率・面接配点・私立の科目配点
共通テストで高得点が取れた人には、共通テストの配点比率が高い大学が入りやすい大学として浮上します。
面接の受け答えが早く的確な人には、面接配点が高い大学が向いています。
国公立の2次試験は英語・数学・理科がほぼ1:1:1で特徴が出にくい一方、私立には英語や理科の配点が高い大学があり、得意不得意で有利不利が変わります。
なお「理科が苦手だから英数のみの大学」という選び方には注意が必要です。
英数のみの大学は共通テストの配点が高かったり、2科目では差がつきにくかったりするため、一概に入りやすいわけではありません。
観点②:英語の出題形式|英作文の有無が最大の分岐
科目の中では英語が最も特徴が出やすく、分かりやすいのが英訳・自由英作文の有無です。
英語が苦手な人の多くは「英作文が書けない(それ以外はできる)」ため、英作文を課さない大学の方が入りやすくなります。
逆に帰国子女やインター出身で英語が稼ぎどころの人は、英作文が重い大学や英問英答の割合が高い大学の方が、英語で差をつけられるぶん入りやすくなります。
観点③:得意科目の難易度|周りより点を取れる科目があるか
数学・理科は英語ほど特徴が出ませんが、得意科目の難易度が高く、周りより点数が取れそうな大学は、その人にとって入りやすい大学になります。
最終判定は「過去問で合格最低点を超えるか」
ここまでの観点は定性的に見えますが、すべて「実際に過去問を解き、合格最低点を超えるかどうか」で判断できます。
総合点の合格最低点から、自分が取りうる共通テストの点数を引いたものが、2次試験で必要な点数です。
過去問でそれを超えられそうかを確認しましょう。算出手順の詳細は以下で解説しています。
実例|偏差値の序列を「逆転」して合格した松濤舎OB
以下はいずれも、合格可能な偏差値帯の中で入試の特徴を突いて合格した実例です(合格体験記付き)。
英作文が特に苦手な塾生が、英作文の出題がなく整序問題などが中心の大分大学に出願し、現役合格しました。
共通テストで失敗したものの、帰国子女で英語が得意・面接も得意な塾生が、2次試験の約3割を面接点が占め英数のみの出題だった年度の弘前大学を受験し、現役合格しました。
共通テストで86%近く取れた塾生は、その年での合格を優先して2次試験が比較的平易で逆転されにくい鳥取大学に出願し、合格しました。
英語が医学部専用問題で難しい富山大学には、英語が得意な塾生3名が同時に合格した年もあります。
英語の代わりに「総合問題」が出題され、この科目で大きく点差がつく愛媛大学には、共通テスト不振から逆転を狙って出願し合格した例が3件あります。
インター出身の塾生は、英語の配点が高い国際医療福祉大学・順天堂大学を優先的に出願し、合格しています。
注意点として、自分の偏差値より圧倒的に高いのに入りやすい大学はまずありません。
近い偏差値帯の中で、配点・出題傾向・形式の特徴がある場合に序列の逆転が起こる、ということです。
地域枠は「明らかに入りやすい」、ただし縛りとセットで考える
地域枠は一般枠よりも明らかに入りやすいです。ただし、卒業後の勤務地の縛りがあるからこそ入りやすくなっている点に注意してください。
入りやすさだけで大学や選抜枠を決めるのは危険です。
一方で「一般枠では成績的に厳しい」「在学中の学費(特に私立医学部)を払うのが難しいが地域枠なら可能」という人には一考の価値があります。松濤舎でも、多浪から帝京大学医学部に地域枠で合格した塾生がいます。
出願校決めは松濤舎の「セカンドオピニオン」で
「自分にとって入りやすい大学」の判断には、個々の成績を正しくウォッチして評価することが不可欠です。
松濤舎では毎年、出願校決めのサポート「セカンドオピニオン」を行っています。出願校決めはプロに頼ってください。
よくある質問
- 倍率が低い医学部は入りやすいですか?
- 倍率では判断しません。合格ラインは受験者層の学力で決まるためです。ただし偏差値が低めの大学では、出願者の急増が合格最低点に影響することはあります。
- 私立医学部で入りやすい大学はどこですか?
- 私立は学費が高い大学ほど偏差値が低い傾向があります(川崎医科大学・東京女子医科大学・金沢医科大学など)。また私立は科目配点の特徴が大きいため、英語が得意な人には英語の配点が高い大学(国際医療福祉大学・順天堂大学など)が入りやすくなります。
