paradox
松濤舎が大学受験の主要英単語帳23冊の見出し語を調査し、掲載冊数をもとに算出しています。この単語は10冊に掲載されています。
1コアイメージ
paradox のコアイメージは「表面上は矛盾・不合理に見えるが、深く考えると真実や意味を含んでいる命題・状況」です。語源はギリシャ語の para-(〜に反して)+ doxa(通説・意見)で、「一般通念に反すること」が原義。ポイントは「単なる間違いや嘘ではない」という点です。contradiction(矛盾)が論理的に両立しない破綻を指すのに対し、paradox は「一見おかしいが、実は深いところで真実をついている」という逆説的な知恵を含みます。「豊かな国に貧困がある」「沈黙は雄弁より力強い」といった、思考を揺さぶる真実の裏面を指す言葉です。
2意味一覧
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名
逆説(一見矛盾しているが深い真実を含む命題・状況)
通念に反しながらも真実を突く命題がコアイメージそのもので、哲学・文学でよく使われる「逆説」という訳語が対応する。 -
名
矛盾した状況・皮肉な事実
深い真実への言及というより「矛盾をはらんだ現実の状態」を指す用法で、「〜という矛盾がある」「〜という皮肉がある」と訳すと自然になる。 -
名
逆説的な人物・事物(相反する性質を持つ人や物)
「矛盾した特質を同時に持つ存在」という意味で使われることがあり、「She is a paradox(彼女は矛盾した人物だ)」のように人を指す用法も重要。
3例文
4よくある間違い・注意点
paradox と contradiction を混同しがち。contradiction は「論理的に成立しない矛盾・破綻」を指すのに対し、paradox は「一見矛盾するが実は真実を含む」という知的な深みが前提。ただし日常会話では paradox が単に「矛盾」に近い意味で使われることもある。
「逆説」という日本語訳に引きずられ、哲学的な命題にしか使えないと思い込みがち。実際には「世界一忙しい人が一番ヒマそうに見える」などの日常的な皮肉な事実にも広く使われる。
5類義語・対義語
| 類義語 | コアイメージの違い |
|---|---|
| contradiction | 論理的に両立しない「矛盾・破綻」を指し、paradox のような「深い真実を含む」含意はない。より厳しいネガティブなニュアンス。 |
| irony | 期待・通念と正反対の結果が生じる「皮肉・逆説」を指す。paradox より文学的・修辞的な色合いが強く、「皮肉な状況」というニュアンスが前面に出る。 |
| anomaly | 通常のパターンから外れた「例外・異常」を指す。paradox のような「真実の裏面」という知的な含意はなく、単に「変則的なこと」を意味する。 |
対義語: truism、axiom
6派生語・関連語
-
paradoxical
形
逆説的な、矛盾した -
paradoxically
副
逆説的に、矛盾したことに
7コロケーション
- a cruel paradox(残酷な逆説・皮肉な矛盾)
- the paradox of 〜(〜の逆説)
- pose a paradox(逆説を提示する)
8確認テスト
“Paradoxically, the more choices people have, the less satisfied they tend to be—a paradox that psychologists call the ‘paradox of choice’.”
① 選択肢が多いほど満足度が上がるという逆説
② 選択肢が多いほど満足度が下がるという、一見奇妙だが実証された矛盾した現象
③ 選択肢が多いのに満足できないという人間の欠点
④ 選択肢を増やすべきでないという倫理的な主張
②が正解。paradox のコアイメージは「一見おかしいが真実を含む逆説的現象」。「選択肢が増えると幸福感が下がる」は直感に反するが心理学的に実証された事実であり、まさに paradox の本質。①は逆の内容、③は道徳的批判にすり替えており、④は主張・提言の意味になってしまいコアイメージから外れる。
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