
A. ×マークがついた問題だけを解きましょう。
勉強時間の90%以上は復習に充てるべきです。したがって、復習は学習の核心であり、効率的な復習が学習効果を左右します。
復習の効率を高めるためには、解ける問題を解かないことが最も重要です。
一度解けた問題はできるだけ放置し、未解決の問題を解けるようにすることに時間を使いましょう。
そのために、1周目から「解けた問題に◯マーク、解けなかった問題に×マーク」を付け、2周目では×マークのついた問題のみを復習します。2周目でも同様に◯×マークを累積し、3周目以降も×マークのみの問題を解いていきます。
この◯×マークを活用した学習法で、2周目以降の復習を行いましょう。
効率的な復習法の基本原則
一度解けた問題はできるだけ放置する
成績は「知識量」で決まります。つまりすでに解ける問題を何度も復習しても成績は上がらないのです。よって、一度解けた問題には⚪︎マークをつけておき、×マークがついた問題だけを復習するようにするのです。これを戦略的放置と呼んでいます。
放置することで、当然忘れてしまう問題もあると思いますが、忘れてから覚え直すことで長期記憶にも定着しやすくなります。このような分散学習をするためにも、一度解けた問題は放置するのです。
足りなかった知識に目を向ける
復習時に注目すべきは「どんな知識があったらこの問題が解けたか?」です。漫然と解説を読んでは定着に時間がかかります。解説を読んだり、ポイント部分を確認したりして、「これを知っていたら解けた」というところにマーカーを引いておいたり、メモを残しておくようにしましょう。そうすることで次の復習から復習効率が上がります。
数学の問題集を使った復習のコツ
数学の勉強は問題集を使う前提なので、前述のとおりです。
2周目以降の学習計画の立て方
問題集の1周目は「すでに解ける問題はどれか?」を明確にすることであり、2周目以降こそが勉強と言えるでしょう。学習計画の最適な立て方はすでに確定しています。以下の「無限等比級数」を用いた考え方を知っていれば、大きく計画がずれ込むことがなくなります。
復習に役立つツールとリソース
2周目以降の復習に役立つツールなどはありません。シャーペンさえあれば⚪︎×マークはメモできますし、ポイントをメモしたり、マーカーを引いたりもできます。
付箋を貼っておくのは推奨しません。付箋は嵩張りますし、つけるのに時間がかかります(それを目的化してしまっている人も残念ながら多いです)。さらに、できた・できなかったという情報は蓄積していきたいため、付箋のように取れてしまうものは効率的な復習に寄与しません。
学習効率を上げるための時間管理術
⚪︎マーク、×マークのメモに加えて、解いた日付を記入している人もいます。それで何日開けて復習したかをわかるようにしているのです。非常にいい工夫だと思います。ここまで細かいマネジメントは必須ではありませんが、このやり方があっている人はやるといいでしょう。
復習に限らず、受験勉強全体の時間マネジメントは非常に重要です。以下の記事を参考にしてみてください。
解けなかった問題に集中する理由
シンプルに「成績は知識量で決まる」からです。解けた問題を解いている時間は、知識量増加に寄与しないため、無駄になることが多いです。「解けた問題を忘れないうちに復習しないと、忘れてしまう」と思っている人も多いですが、忘れないうちに復習をしても短期記憶にしかならず無駄です。忘れてから復習した方が長期記憶に定着しやすいことが科学的知られているので、解けた問題は戦略的放置をする、解けなかった問題にだけ復習時間を作る、というシンプルな原理で復習してみてください。