mercy
松濤舎が大学受験の主要英単語帳23冊の見出し語を調査し、掲載冊数をもとに算出しています。この単語は14冊に掲載されています。
1コアイメージ
mercyのコアイメージは「本来なら罰や報復を受けて当然の相手に対し、あえて加害・制裁をしないで示す温かい配慮」です。上位の力を持つ者(神、権力者、勝者)が、下位の弱者や罪ある者に対して、力を行使しないことで示す「恵み」がその根底にあります。これは単なる優しさ(kindness)とは異なり、「本来は厳しく裁ける立場にある」という権力差と、それを踏まえた上での「あえての慈悲」という文脈が不可欠です。だから神への祈りや死刑判決の場面、戦争の降伏場面などに頻繁に登場します。「運よく助かった」という意味でも使われるのも、この「本来なら悪い結果になるはずだったが救われた」というニュアンスが共通しているためです。
2意味一覧
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名
慈悲、情け
罰する権限を持つ者が、あえてそれを行使しないで示す温情。神や権力者が弱者に向ける「見逃し・赦し」のイメージ。 -
名
神の恵み、神恩
神が人間の罪を罰さずに救ってくださる、という宗教的文脈での用法。コアイメージがそのまま神学的概念に結びついている。 -
名
幸運、ありがたいこと(It’s a mercy that …)
「本来なら悪い結果になるはずだったのに助かった」という構造がコアイメージと一致。「不幸中の幸い」のニュアンス。
3例文
4よくある間違い・注意点
「mercy」を単なる「優しさ(kindness)」と混同しがちですが、mercyには「罰する立場にある者があえて赦す」という権力差のニュアンスが必須です。友人同士の日常的な親切さにはmercyは使いません。
at the mercy of ~(〜のなすがままに、〜に翻弄されて)というイディオムは頻出ですが、「自分を守る力がなく相手の意のままになる状態」を表し、コアイメージの「力の非対称性」がそのまま表れています。見落とさないようにしましょう。
5類義語・対義語
| 類義語 | コアイメージの違い |
|---|---|
| compassion | 苦しむ他者への共感から自然に湧き出る「思いやり」。権力差は必須ではなく、対等な立場でも使える点がmercyと異なる。 |
| clemency | 主に権力者・裁判官などが刑罰を軽くする場面で使う、やや堅い語。mercyよりも公的・法的文脈に限定される傾向がある。 |
| leniency | 規則や罰則の適用を緩めること。mercyより感情的温かみが薄く、「手加減」「寛大な処置」のニュアンスが強い。 |
対義語: cruelty、ruthlessness
6派生語・関連語
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merciful
形
慈悲深い、情け深い -
merciless
形
無慈悲な、容赦のない -
mercilessly
副
容赦なく、無慈悲に -
mercy killing
名(複合語)
安楽死(苦しみから解放するための行為)
7コロケーション
- show mercy(慈悲を示す、情けをかける)
- have mercy on ~(〜を憐れむ、〜に慈悲をかける)
- at the mercy of ~(〜のなすがままに、〜に翻弄されて)
8確認テスト
“The sailors were completely at the mercy of the storm and could do nothing but pray.”
① 嵐に慈悲を乞いながら
② 嵐のなすがままになって
③ 嵐のおかげで助かって
④ 嵐に感謝しながら
正解は②。at the mercy of ~は「〜に対して自分を守る力がなく、相手の意のままになる状態」を表すイディオム。mercyのコアイメージ「力の非対称性」がここでも生きており、船員たちが嵐という圧倒的な力の前に無力であることを示している。「慈悲を乞う」(①)は意味的に近いようで、主語の能動的な行為を表してしまうため不正解。
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